●坂野潤治、山口二郎著『歴史を繰り返すな』/岩波書店/2014年8月発行
日本近代政治史を専攻する歴者学者と「立憲デモクラシーの会」共同代表を務める政治学者による対談集。当然ながら安倍政権には批判的なスタンスで議論は進むが、快刀乱麻を断つというような切れ味よりも、これからの政治をいかに構築していくべきなのかという模索的な姿勢が全体の基調を成しているように思われる。 現在の安倍政権を保守と規定して、それに対抗するために山口が提唱するのは「社会民主主義と自由主義の提携」である。坂野はそれに加えて「日中友好」を基軸とした平和の追求を強調する、というのが本書のエッセンス。 前者に関しては、もともと民主党は社民系と自由主義の寄合世帯だったのだから今さら野党陣営がそれを反復することにいかほどの可能性があるのか、との疑問が拭えない。ただ坂野が初期議会の左翼リベラルが「政費節減・民力休養」を掲げた点に着目してやや批判的に分析しているくだりは興味深く読んだ。
by syunpo
| 2015-04-03 20:09
| 政治
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