フィールグッド社会をめぐって〜『幸福論』

●宮台真司、鈴木弘輝、堀内進之介著『幸福論』/日本放送出版協会/2007年3月発行

b0072887_1921724.jpg 社会学者の宮台真司と、大学院宮台ゼミに所属する二人の若手学者による鼎談集。
 テーマは「幸福への社会設計はいかにして可能か」。
 米国民主党のヒラリー・クリントン周辺から出てきた「フィールグッド・プログラム」が、本書のキーワードとなる。それは「近代社会の正統性や正当性を保ち、それらを前提とした市民の積極的政治参加を通じて、不安のポピュリズムに勝るとも劣らない有効なアウトプットを調達するべく、徹底的に研究したうえでアーキテクチャーを設計しよう」という「ソーシャル・デザイン主義」なのだ、という。

 それに対して、宮台真司は「より良きフィールグッド・ステイト化への政策を実施することの重要性」を主張し、堀内進之介は「フィールグッド・ステイト化を批判する視座を確保することの重要性」を言い、鈴木弘輝は「フィールグッド・ステイト化への感情的不満が絶えず湧き上がってくることの不可避性」を言い立てる、という図式になる。

 難解な専門用語に、時おり「頭の良いネオコン/悪いネオコン」「ネタ/ベタ」など俗っぽい言い回しを絡ませて談論風発ながらも、議論は全般的に抽象論に傾き、私には面白くもなんともなかった。
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by syunpo | 2007-04-23 19:24 | 思想・哲学 | Trackback | Comments(0)
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