●村上龍著『日本経済に関する7年間の疑問』/日本放送出版協会/2006年11月発行
本書は、著者が主宰しているメールマガジン「JMM」に掲載したエッセイを再構成したものである。一九九九年から二〇〇六年までの文章が収録されていて、小泉構造改革や北朝鮮による拉致問題、米国での同時多発テロ後の日米の安全保障政策などが話題として取り上げられている。 どのテーマを論じるのであれ、基調を成しているのはマスメディア批判で、時代の変化に対応できない報道の「文脈」の旧態依然ぶりが俎上にのせられる。 今や政治の果実を国民が一律に享受できるわけではない、「痛みを伴う構造改革」という場合、一体国民のいかなる層が「痛み」を感じることになるのか、その成果は誰が受け取るのか、政治もメディアもはっきりさせよ、というような主張に首肯する読者は多いことだろう。ごく短い文章の集成なので読みやすく、メッセージもいたって簡潔だ。 ただ、いささか一本調子で、こうしてまとまったものを通読するとなると後半部ではやや飽きがきたのも事実である。
by syunpo
| 2007-12-25 19:37
| 政治
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