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ブックラバー宣言

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教育は商品ではない〜『教師格差——ダメ教師はなぜ増えるのか』

●尾木直樹著『教師格差——ダメ教師はなぜ増えるのか』/角川書店/2007年6月発行

b0072887_10193061.jpg 教育は子どもたちのもの、という基本認識を大前提に、教師崩壊の現状にスポットをあて、教師を再生させることが教育再生につながることを説いた本である。教師バッシング渦巻く中、そうした視点からの教育論もまた必要であろう。

 全体の基調としては、安倍政権下で発足した教育再生会議の提言や、教員免許更新制、教師への目標管理型評価などの施策に対して批判的論評を加え、同時に教師の「同僚性」など伝統的な学校文化のメリットを強調している。

 社会の学校への過大な責任の押しつけやモンスターペアレンツなど、昨今の教師をめぐる過酷な状況については、すでにマスコミでも報道されていることが多く、本書で認識を新たにするということはあまりなかったものの、現場の実態から教育を論じるべきだという尾木のスタンスには揺るぎはなく、データに基づいた主張にはそれなりの説得力を感じさせる。
 ただ、現在進みつつある一連の教育改革への批判に力点を置きすぎたあまり、今後いかなる方途で「教師格差」を解消していこうとするのか、その具体的構想を少し欠いているように思われ、物足りなさをおぼえた。
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by syunpo | 2008-07-29 19:06 | 教育 | Comments(0)
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