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ブックラバー宣言

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2018年 11月 05日 ( 1 )

神とともにあることによって自由を得る〜『となりのイスラム』

●内藤正典著『となりのイスラム 世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代』/ミシマ社/2016年7月発行

b0072887_18505637.jpg 近代以降の西洋社会が神から離れることで人間が自由を得ていくと考えたこととはまったく反対に、イスラムは「神とともにあることによって自由を得る」と考える。

 本書では、そのようなイスラム教徒たちの基本的な価値観や生活のあり方などを彼らの日常にそって素描していく。いったん私たち日本人の考え方を脇において、彼らのことを少しでも知ろうとすることは意義深いことに違いない。やがて世界は三人に一人がイスラム教徒という時代が到来するといわれているのだから。

 私がとくに興味深く感じたのは、イスラムの「商人のための宗教」としての側面を概説したくだりだ。

 商売は良いときもあれば悪いときもある。ここが大事なところですが、うまくいって儲けたからといって自分の才覚で儲かったと思うな、というわけです。(p66)

 儲けてもいいけど貧しい人のことを忘れんなよとクギを刺すイスラム的な謙虚な考え方は、著者も言うように、世界中を覆うようになった新自由主義にもとづく自己責任を重んじる生き方を相対化するうえでとても示唆に富んでいるのではないかと思う。
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by syunpo | 2018-11-05 18:53 | 宗教 | Comments(0)